
大学受験英語の成績が伸びず悩んでいませんか?
この記事では、英語学習において陥りやすい失敗、効率的な英語の勉強法、塾・参考書の選び方をわかりやすく紹介します。
英語が大学受験で重要な理由

多くの受験生が受験される大学入学共通テストを例に、英語の受験科目としての重要性を説明します。
近年の大学入学共通テストにおいては、英語はリーディング100点、リスニング100点の合計200点で構成されていました。
他の科目については、国語は現代文・古文・漢文で200点、数学は数学ⅠAで100点、ⅡBで100点、理科社会は各科目100点となっていました。
このように、英語は大学入学共通テストの中で1科目200点を占める主要科目と言ってよく、英語の成績が入試全体の結果に与える影響はとても大きいです。
ですが、基礎からコツコツ学ぶことで得点源にできる科目でもあります。
高校1年生の早い段階から、基礎固めを行って自分の得点源にしていくことが合格の近道といえるでしょう。
(参考:令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項(通知))
大学受験の英語の失敗しやすいポイント

ここでは英語勉強において失敗しやすいポイントをまとめます。
大学入学共通テストの最新の傾向に沿って、避けるべき失敗パターンを紹介します。
単語・文法が曖昧なまま応用に進んでいる
2021年4月に行われた「大学入試のあり方に関する検討会議」において、大学入学共通テストの英語の出題方針が議論されました。
その中で、発音・アクセント・語句整除のような単独問題は廃止され、語彙・文法の問題を文中で暗示的に出題する方針が示されています。
以前のセンター試験よりも、文章の中で語彙・文法を活用する実践的な力が求められています。
そのため、ベースとなる語彙・文法の習熟が必須になっていると言えるでしょう。
(参考:【資料1-2】令和3年度大学入学共通テスト『英語』について(山本大学入試センター理事長提出資料))
長文読解が時間内に終わらない
同日に行われた会議の報告資料の中で、共通テストの英語リーディングは、従来のセンター試験英語より英語の総語数が大幅に増加したと述べられています。
同じ時間でより多数の、より複雑な英文を処理することが求められてきています。
1つ1つの文章を速く処理できるように反復を重ねて自分の処理力を上げることも重要です。
(参考:【資料1-1】令和3年度大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書(案)(一部)(山本大学入試センター理事長提出資料))
リスニングの後回し
冒頭にも説明したように、リスニングの配点が大幅に上がっています。
リスニングの配点が大きくなった現在、十分な対策なしに後回しにすると得点機会の喪失につながります。
リスニングは付け焼刃では身につかないので、学習を習慣化して長期的に取り組むと良いでしょう。
大学受験英語のおすすめの勉強法

効率的な単語・文法の覚え方
2018年に告示された「高等学校学習指導要領解説(外国語編 英語編)」では、英語は「聞く・読む・話す・書く」の4技能を統合的に指導するべきとされています。
また、単語や文法は実際のコミュニケーションに活用する知識として、段階的かつ系統的に繰り返し学習する必要があると説明されています。
この内容から、単語や文法の学習は単独学習ではなく、他の技能と組み合わせながら反復的に学ぶことが重要、と読み取れます。
単語や文法については、文章の中での活用方法や発音の仕方と組み合わせて学ぶことで効率よく習得することができるでしょう。
(参考:【文部科学省「高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編」Q&A(2018年)】)
学習環境の作り方
2023年6月に文部科学省が公表した第4期 教育振興基本計画」では、家庭での継続的な学習環境の整備と習慣化が重要とされています。
学校外での学習の時間を設けることが、継続的な学習を行う環境を整えるための基盤となります。
まずは1日15分から、その日学校でならった内容を復習する習慣を作ることを目指しましょう。本格的に受験期に差し掛かってきたら、英語を全くやらない日を作らないように学習計画を組んでいけると良いでしょう。
(参考:文部科学省「第4期 教育振興基本計画」)
自分の弱点を把握する方法
文部科学省は、TOEICと、ベネッセコーポレーションの「GTEC Advanced・Basic・Coreタイプ」を『高校生のための学びの基礎診断』の英語教科の認定ツールとして認定しています。
多くの試験は学校単位での申し込みが必要ですが、上記2つは個人単位での申し込みが可能です。
こういった試験を受験すると分野別の得点率がわかり、自分の苦手箇所が明らかになります。
勉強において大変重要なものの意外と疎かにされがちなのが、『現状把握』です。
定期的にこういった試験を受験し、自分の得意・苦手な領域を把握するようにしましょう。
(参考:令和7年度「高校生のための学びの基礎診断」の認定について)
大学受験の塾・予備校の選び方

大学受験英語のために塾に行くべきか
2020年10月に文部科学省が中学校・高等学校に行った調査によると、英語力の高い学校・学級ほど、「聞く」「読む」「話す」「書く」の言語活動を多く実施している傾向があります。
しかし学校の英語教育においては、教え方に地域差があることも指摘されています。
英語を学習する時には「読み書き」だけでなく、「話す・聞く」練習も織り交ぜながら学習することで高い学習効果が得られますが、学校の授業だけではいずれかの言語活動が不足する可能性も大いにあるのが現状です。
こうした不足分を塾や予備校に行くことで補うことはとても有効だといえるでしょう。
特に不足しがちな聞く・話すを補える学校外の学習機会をお勧めします。
(参考:文部科学省 2020年10月公表資料)
個別指導と集団授業の違い
2021年5月に文部科学省が実施した調査では、生徒数14人以下の少人数クラスでは、「授業内容がよく分かる」と答えた生徒の割合が25人以上の大人数クラスよりも最大20ポイント以上高いことが明らかになっています。
14人以下の少人数環境では、各生徒への教員の関与や指導時間が増えることで生徒の理解度が向上することが統計的に裏付けられています。
普段の授業の中でわからない点が多く、ついていけないと感じている方は、少人数の個別指導塾を検討してみるのも良いでしょう。
大学受験英語の参考書・問題集の選び方

教材のレベル選びが重要
文部科学省「高等学校学習指導要領解説 外国語編 英語編」(平成30年告示)では、生徒の興味・関心や発達の段階を考慮した上で、4技能を統合的に育成できる教材を用いることの重要性が述べられています。
読む・書く・聞く・話すをバランスよく、自分のレベルにあったもの、自分が興味のあるもの、の3つの視点に従って選ぶことで、継続的かつ高い学習効果が期待できます。
周りが使っている教材で学ばないといけない訳ではありません。
場合によっては中学の教材からスタートしたり、気分転換に好きなアニメや漫画を英語で読んでみる、なども楽しく学べる手段です。
自分に合った学習方法を探してみると良いでしょう。
SNSや友人の口コミを鵜呑みにしないコツ
生徒個々の学力・実態に沿って教材を選ぶことの重要性について説明しました。
自分の学力や、学習環境をよく理解せずに、SNS上の評判や人気ランキングだけで選ぶと、学力向上につながらない可能性があります。
まずは自分の現状把握を正しく実施し、その上で口コミなども参考に選ぶことが、良い教材選びにつながるでしょう。
まとめ

大学受験英語で成果を出すには、自分のレベルに合った教材選びと、効率的な学習法が重要です。SNSや友人の口コミだけに頼らず、弱点を把握し、自分に合った方法で着実に英語力を伸ばしましょう。
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